がんこおやじのぼちぼちでんなあ 9月

海は青く澄み、波もすごく穏やか。まるで湖畔にたたずんでいる様。
ここは大船渡三陸町。そう、6年半前大震災と大津波にのみこまれた町です…

約8年位前の事、刺身のツマに使うワカメを探しまわっていた時、塩釜の市場に行く道筋で田舎によくある何でも置いてある雑貨屋のようなお店に立ち寄ったところ、偶然ここのワカメに出会いました。歯ごたえ味もいける!お店の人にお願いして私の店に送ってもらうようになりました。

それから2〜3年してあの大災害。電話連絡も取れないまま半年位過ぎた頃、お店の人から電話。嬉しかった!
「すみません、こういう事情でワカメが送れなくなり、本当にごめんなさい。また送れるようになったら電話します」と。
私は胸に熱いものを感じ「そんなことはどうでもいいよ!みんな大丈夫だったの?」
「お店の人は皆助かりました。でもお店は流されて。また1からやり直しです。でも皮目のことはまた電話しますね」と。
自分達の方が大変だろうに自分の事よりもまわりのことを気遣う。有難い。胸がいっぱいで頭の中が真っ白になったのを覚えています。
「がんばってね」と声を掛け電話を終えました。

昨年3月頃「お久しぶりです!ワカメのことで…」
「あーどうも!お元気でした?お店は?」
「実は漁協の組合長さんにワカメの相談をしたら『俺がやってやるよ』と言ってくれたのでご紹介しますよ。その方が安く上がるし、面倒見の良い人だから色々相談できるかと思いますよ」と。連絡先とお名前を聞き丁寧にお礼を言って「これからも頑張ってね」と電話を切りました。

前置きが長くなりましたがその組合長さんこそ私がいまお世話になってる越喜来(おきらい)漁協理事の及川さんです。先日お会いするために行ってきました。電話でのやり取りの中でも人柄がすごく良く少々無理なお願いも「いいよ、やってやるよ」とおっしゃってくれます。一度会ってお礼と、これからの仕事の話もさせて頂きたいとずっと思い、ついに叶いました。
しかし会う前日に宿泊するホテルへ行くまでの道中がかなり大変でした。レンタカーのナビもセットして目的地近くまで行くことができたのですが…。

来月へつづく。

がんこ