今年ももうすぐサンマのシーズンです。

立秋も過ぎ、暦の上では秋。

調理場では暑い中腰や背中をいじめながら戦っています。でもひと段落して顔を上げると目の前のお客様の笑顔が待っています。
「大変だね」「ガンバルね」
と声をかけていただくと、まだまだ自分にムチを打ち続けなきゃと思います。未熟な自分に対してのエールありがとうございます。

さて素材ですが、サンマがまだ見えてきません。厚岸漁港の塚田くんとの電話も、相手の気持ちがわかるため、サンマのことにはできるだけ触れないようにしています。
「塚田くん、今日はどう?まぁ貝だけ送ってくれるか。他の水揚げないよね。」
と軽くモーションをかけます。塚田くんも勘がいいので
「岡本さんすみません。何もないですわ。サンマも思うように入ってこなくて…でも今船団が向かっていますから、三日もしたら帰ってきますよ。400マイルですよ。40時間走りっぱなし。それで向こうに着いても獲れるかわからないですよ。しかもロシアの警備が非常に厳しいからかなり大変ですよ。少しでも変なことすると、奴ら撃ってきますからね。威嚇射撃じゃないですよ。当たりますから。FRPの船だから沈みますよ」
と、塚田くんもマシンガンのように早口でまくしたてます。かなりストレスが溜まってる様子が伺えます。
私達は「サンマはまだないの?」と言っていればいいのですが、向こうは生死をかけての漁。厚岸では家族の方が無事に帰ってくるのを待っています。本当に大変です。

何年か前、厚岸での手際良いサンマの水揚げの様子を見せていただきました。
水鳥達を従え、沖から帰ってくる漁船の姿を思い浮かべると今でも胸が熱くなります。
鮮度も形も良い最高のサンマを扱うことができるのも、漁師の方々や漁協の皆さんのおかげです。感謝感謝。
サンマ
今年もあと何日かで本格的なサンマのシーズンになります。
毎日漁協の方のことを思いながら仕事させていただきます。ありがとうみんな!

がんこ


追記:
9月中旬現在、先の大型台風などの影響や天候不良のため形の良いサンマが入荷できない場合がございます。
ご来店の前にお電話でお問い合わせいただくことをお勧めします。よろしくお願いいたします。