5年前のあの日

朝起きて、まずテレビをつけ、ニュース番組を見つつ新聞を広ける。そして市場からの電話を待つ。
これが私の一日の始まりです。

その日の朝刊の一面、五年前の大震災の記事。
あ、そうだ3月11日。もう5年経つんだ。

その新聞のコラムに一人の男性の記事が。
その方は息子さんを震災で亡くしてしまいました。内容を読んでいるとその時のことを思い出し、胸が熱くなりました。
その男性はラーメン店の調理師で、息子さんが他のラーメン店で修行をするので、自分が大切にしていた包丁を譲ったのです。しかし風呂敷に包まれた箱に入ったままの包丁が、息子さんの運転していた車の中にあったという事。その日、仕事場に向かう途中の出来事らしいです。

何か、自分と重なる部分があり、余計に見入ってしまいました。
あの時は本当に仕事が手につかなかったことを覚えています。
何度も何度も取引先の人に電話をしたが…厚岸にも塩釜にも繋がらなかった。
「電話に出てくれ」と、心で叫びながら電話をしていました。
三日程してようやく連絡がついた時は安心し、お互い泣きながら話をしました。「よかった、よかった」と

それから5年の月日が経ちますが、いまもその時の事を思っている方々がたくさんいます。私も心から「頑張ってください」と応援しています。

三寒四温まだまだ寒い日があります。
四季の旬の魚を追いかけてあちこちに電話。厚岸はカニ、カニ。
塚田くんに「他の魚は?」と言うと「何もないですよ。あるのはニシンだけ。毎日ニシンばっかり。もう見るのも飽きてきますよ」と。

この時期はどこも魚が少ないです、でもお客様に今日は魚がないですとは言えません。
いい物をどんどん追いかけます。

いまは厚岸の毛ガニ!やはり、かなり良いですよ。身入り、味も最高です。

うまいものはうまい時に
旬イズベスト!

がんこ